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イベント情報

故宮博物院に興味を持つ日本人向けセミナー第2回【準備中】

第二講:『土』と『石』が語る中国古代史

セミナーは全5回です。今回は2回目
2.1. 青銅器:殷・周時代の権力と祭祀
中国文明の根幹をなす青銅器は、単なる金属製品ではない。それは、殷・周の時代(紀元前1600年-紀元前221年頃)において、貴族の身分と権力を象徴する「礼器」であり、政治と祭祀の中心をなす重要な存在であった 。中国の青銅器時代は、約1500年間にわたり栄え、その技術は後の様々な産業の興隆を促した 。
故宮博物院が誇る青銅器の最高傑作の一つが毛公鼎である。約2800年前の西周時代後期に製造されたと伝えられるこの鼎(かなえ)は、内側に500文字余りにも及ぶ銘文が刻まれており、現存する青銅器の文章の中では最長を誇る 。この銘文は、当時の政治状況や歴史的背景を伝える極めて貴重な歴史資料であり、単なる美術品を超えた価値を有している。
また、毛公鼎と同時期に作られた宗周鐘も、故宮の重要な青銅器である。この鐘には、周王が外敵に対抗し、国の平安と永続を願う強い意志が111文字の銘文で記されている 。青銅器という硬質な素材は、このように歴史的記録を後世に伝えるための媒体としても機能し、当時の権力者の思想や祈りを、数千年後の現代にまで伝えているのである 。
2.2. 陶磁器:土の百変化と窯の芸術
陶磁器は「文明の象徴」であり、柔らかな土が窯の中で硬い芸術品へと変わる過程は、中国文化の多様な変遷を映し出してきた 。故宮の陶磁器コレクションは、唐時代の鮮やかな唐三彩から、宋時代の洗練された青磁、清時代の精巧な転心瓶(霽青描金游魚転心瓶)に至るまで、各王朝の美意識と技術の粋を物語っている 。中でも、宋代の汝窯青磁は、その究極の美意識を体現する存在である。幻の「天青色」と称されるその釉色は、純粋で洗練された美しさを放つ 。汝窯青磁の伝世品は世界でわずか約74点しか存在しないとされ、その希少性は多くの愛好家を惹きつけている 。その特徴は、純粋な天青色の釉薬、釉面に現れる細かな「氷裂文」(貫入)、そして極めて小さな「支釘痕」(焼成時に器を支えた跡)であり、当時の職人が追求した究極の美と完成度の高さを物語っている 。
3.3. 玉器:君子の徳と神秘のエネルギー
故宮の玉器コレクションは、玉が中国人に抱かせてきた濃厚な情感と奥深い理念を映し出している 。約7〜8千年前の先人たちは、玉を「美しく不朽」の石として崇め、そこに豊かな「精気」、すなわち神秘的なエネルギーが宿ると信じていた。彼らは、玉を神々と対話するための道具として用いた 。
しかし、社会の進歩と儒教思想の台頭に伴い、玉に備わるとされた神秘的な「霊性」の概念は徐々に変化を遂げた。玉は、儒家によって「仁、義、智、勇、絜」といった「君子の徳」を象徴するものと解釈されるようになったのである 。この玉文化の変遷を象徴する作品こそ、第一講で紹介した翠玉白菜である。この作品は、単なる彫刻の傑作ではない。それは、玉が持つ「美と不朽」という古代からの物理的な特性から選ばれ、同時に白菜が持つ「清純」や「子孫繁栄」という象徴が、儒教的な倫理観や家庭の幸福を願う思想と結びついた。古代の霊的な信仰と、後の時代の儒教的な倫理観という、玉が持つ二つの文化的側面が融合することで、作品は単なる芸術品を超え、数千年にわたる中国の精神文化の変遷を象徴する存在となっているのである。この作品を通じて、美術品が歴史や哲学と密接に結びついていることを理解し、より深い鑑賞体験を得ることが可能となる。


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講師プロフィール


箕山 育恵(Ikue Minoyama)

  • 国際中医師
  • 国際中医薬膳師
  • 一般社団法人日本国際薬膳養生協会理事長
  • 東京都港区六本木で「ヒルズ薬膳」薬膳サロン主宰
  • コロナ前は台湾台北迪化街、上海静安寺にて薬膳講座開校
  • コロナ禍ではオンライン授業で薬膳資格発行講座を多数行う
  • 薬膳茶養生師®・薬膳スープ養生師®など
  • 台湾薬膳オンラインサロン主宰
  • 台北故宮文物を楽しむ講座を年間開催
    台湾薬膳、台湾の養生法、中華文化を広める活動を行っている。
    医食同源「台湾薬膳」著者
Takayuki ONO

Takayuki ONO

私は、旅行業界で40年以上にわたり、企画・海外地上手配・国際線航空券予約手配・安全管理・経営・コンサルティングまで、旅行に関わるあらゆる領域を現場で経験してきました。 総合旅行業務取扱管理者をはじめ、複数の関連資格を保有し、個人旅行から団体旅行、テーマ性のある旅や配慮型旅行まで、多様なニーズに対応してきた実績があります。近年は台湾に特化し、海外旅行に不安を感じる方、初めて訪れる方、自分に合った旅の形を求める方など、幅広いお客様からのご相談を数多くお受けしております。私が大切にしているのは、観光地を効率よく巡ることを目的とした旅ではなく、一人ひとりの価値観・体調・目的に寄り添った、無理のない旅です。 そのため、事前のヒアリングを何よりも重視し、安全性と実現性を第一に考えた企画設計を行っています。 特徴は、できない理由を並べるのではなく、「どうすれば実現できるか」をお客様と共に考える姿勢です。 旅の成功とは、単にトラブルが起きないことではありません。旅を終えたあと、「安心して楽しめた」「また旅に出たいと思えた」そう感じていただけることこそが、本当の成功だと考えています。愛旅では、ご利用いただくすべての方が、自分らしいペースで旅を楽しめることを最優先に、誠実な姿勢で事業に取り組んでいます。

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