台湾原住民は、中国大陸(おもに福建省や広東省)の漢民族が、移り住む前から台湾にいた先住民で、台湾の人口の約2%が原住民です。彼らは文字を持たなかったのですが、日本統治時代に日本語教育を行っていたため、他の部族と意思の疎通はできていたそうです。
以下に主な部族を紹介します。
アミ(阿美)族
原住民族としては最大で、花蓮から台東にかけて暮らしています。村の実権は男性の長老が握っています。人口約175,000人。
パイワン(排湾)族
台湾中央山脈の台東から墾丁あたりまでの海抜500m~2,000mの山地に住んでいます。農業を営み、狩猟も行います。人口約85,000人。
タイヤル(泰雅)族
中央山脈の北回帰線より花蓮の先あたりまでの中央山脈に住んでいます、人口約75,000人。
タロコ(太魯閣)族
花蓮北部に住んでいます。太魯閣渓谷の名称は部族名から取られています。人口約24,000人。
プユマ(卑南)族
台東縣に多く住んでいます。人口約12,000人。
ツオウ(鄒)族
台湾中部山脈(日月潭・阿里山)付近に住んでいます。以前は狩猟民族でしたが、現在は農耕や漁業を営んでいます。昔、言葉が通じない人間に出会ったら敵とみなして首を切っていたそうです。人口約6,500人。
ルカイ(魯凱)族
中央山脈の霧台と高雄付近の茂林郷に住んでいます。貴族と平民など、部族内でのきちんとした階級を持ちます。人口約11,000人。
セディック(賽德克)族
台湾の南投縣と花蓮縣の山間部に住んでいます。抗日反乱事件「霧社事件」はセディック族が起こしたものです。人口は約6,500人。
サキザヤ(撒奇莱雅)族
以前はアミ族と混同されていましたが、言語体系が異なるということで独立した民族と認められました。人口は約10,000。
サイシャット(賽夏)族
新林県と苗栗県にまたがって住んでいます。主な産業は農業と林業です。人口約5,500人。
ヤミ(雅美)族
台東から約90キロ、太平洋に浮かぶ「蘭嶼島」に住んでいます。トビウオ漁を生業としている原住民族とは異なります。男性は人生の節目に合わせて何回も名前を変えます。また、近年まで男性はふんどしを着用していました。人口は約3,500人。
クヴァラン(噶瑪蘭)族
宜蘭市や蘇澳市の蘭陽平原一帯に住んでいます。人口約3,000人。
サオ(邵)族
日月潭付近に住む部族で、初代中華民国総統の蒋介石にゆかりが深いです。人口は約600人。
カナカナブ(卡那卡那富)族
高雄市那瑪夏区に住んでいます。人口約500人。
サアロア(沙阿魯阿)族
高雄市の桃源區に住んでいます。人口約400人。
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